2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ツバルオーバルビュー北添春菜さん

ツバルオーバルビュー北添春菜さん

足元を見る

明日で帰るが今夜伺えてよかった、覗いたのは三度目だと彼女は言った。くたびれた黒いコンバースは短丈で綺麗とは言えなかったが、小さな背もたれのスタンド椅子をすすめて、かけて脱ぐことに素直に従った。 タグを縫い付けに縫製所に出していたので、靴紐を…

与那国田原川(小菅丈治/石垣青少年自然の家)

パンヤン樹

一年生になったら

靴紐を解く

ゾウリヲヤメヨウ、靴下をはこう。名古屋でギャラリーライクエアを開いたあたりから半年ゾウリで過ごしてきたから、ざっと15年ぶりくらいだ。 その前20年くらいは23インチのバイクだったから、ゾウリをはくことはめったになかった。 かかとない妙な履き物が…

佳き予感して港に面したデッキにでてみると……

屋上に張り出た雨水の桝に緑が、地球から隔絶して慎ましい枝葉を育ている。その身の丈をわきまえた嘆息を、あの美しい声で蛙と呼び交わす小鳥が知っている。 我が505号室との隙間は90センチであろうか? 蛙こそその緑と同じ境遇を生きるものか。 未明に地対…

オキナワ・グリーン・ハンモック/19穴

これで一通りの緑のハンモックが、やっとオキナワに揃うことになる。ネットは概ね三つ縒りの三ミリロープで編んできたが、天然染料で染めを頼んでいる方は誰もよい顔をしてくれない。 無理もない。ロープを手染めするということが、普通じゃないからだ。そこ…

田代島(宮城県石巻湾)猫・漫画

浜ゆたか(民宿)さん

オキナワ・グリーン・ハンモック/W

程よい錘を待っているのだが、なかなか来ない。歩く錘は気紛れだから、明日オキナワに送るハンモックの網目を絞めることができない。 この最大サイズも危うく二点で吊るものと、三点で支えるものの二種類。「W・2」と「W・3」とする。

漂着ロープ

漂着ロープを洗い直す前に口を綴じておかなければ、際限なくヨリが戻っていってしまう。それほど何度も洗濯機で回さなければ、砂は吐かない。三つよりの口を締めて子ヨリをほどくと、三つよりてなく四つ撚りだった。 その一つがバラけたように見えたものは、…

オキナワ・グリーン・ハンモック

手が産み出すわざにはひとりでに、社会的メッセージが込めらてしまうはずだ。繊細な織物だが支配者から課せられた逃れられない抑圧が織り込まれた物であったのに、卑近な政治的立場を越えてその語り手にオキナワで出会えていない。 現代の上手(ウワテ)に対…

えばぐりーん

その道すがらこの島最高峰からいずる水を汲みにいったおり、容認できない光景に出くわした。 ダムのノリ面が天然の草ごと、人工着色されている。地表を薬剤でどうせ固めるなら、緑に塗ったら一石二鳥(笑い)。 (笑い)を、始めて使ってみた。用法に齟齬あ…

今日の読書浮上者は

唐人墓、電信ヤー、東シナ海を望む棚田六反、間口四間奥行き八〇メートルの牛舎廃屋、メキシコ奥さまの「ときどき休みのアミーゴ」は閉まってた、廃村ヤスラを巡る地図にない道……。一日つきあってやったのに、この読書人の名前を訊かなかった。 最近の読書浮…

大塚屋の隣

色調子を見たくてダイロンは島で買ったものだが、ミヤ古のものは三〇年も前だから2立方センチくらい入っている。 ダイロンの中身はその五分の一か八分の一くらいか。近辺のジョシでなくとも糸へんの者なら知らぬものない大塚屋のクルマミチのならびに、シモ…

大きな船が沖で泊まっていることがある

二つの中国や一つの半島を二分するかっての東西の大国の事情で分断された目的地に直進できなくて見かけだけの三角貿易の手続きのためであることもあるし港湾の事情や天候の都合であることもある。 そのあたりだけリーフ外縁にたつ白波がない。巡視艇が台風を…

若き百合など

ムラサキシジミが憩うていた街の陽当たりのよい小さな植え込みに眠っていた百合の中心に道行く人は目をやった。二月一三日のこと。 二月も終わりごろには海邦銀行八重山支店角の大樹が紅葉してバラバラ撒かれた駐車場で慎重にひろうべき葉の紅さを吟味してい…

昭和20年3月

ハンモック上の一冊

ハンモック上の一冊の百冊にカイヨワの「遊びと人間」を入れたいのだが、なかなか進まないでふと今どきの電脳ゲームを彼なら何というだろうと思った。 遊びを遊ぶプロセスにルールの誕生がある……、ゴリラ。

投網

剣客商売もさいとう判に慣れてきた。 投網は振りかぶっては投げられまい。この腰はそうして開いたものだろう。指をくわえて見ていた経験?しかなくてナンだが。柿渋の岡田に教えてもらった岐阜山奥の生産者を一度訪ねたいが、まだ。 旧宅周辺春日井市下屋敷…

綛二種