2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「さんだい話」

さんだいばなし

隣の町内にあかぬけした本屋があって屋号がわからないが、それを青木書店と呼んでいる一派がいる。地元民デス。不通の店だった前科があるからね。潰れて代替わりして、こうなったようですと、「死ぬまでに観たい映画1001本」を買いながら、かようなジョ…

取説の取説・1

いまどきこのカメラの取説も当然のこと横書き、表紙をね前にして綴じ代が左にある。はじめて見る取説を手にとって、なんだか違和感がある。あちこちめくりながらそのわけが、なかなかわからなかった。背にはセロテープで張り直してある。読み込んで傷んだ跡…

隻の会(仮称)

小三の息子が初めて眼鏡をかけ、バッティングセンターに行ったら、人が変わったようにいい当たりを連発した。「球をよく見て」「バットは短く」なんて素人の知ったかぶりよりも、まずは眼鏡が必要だったのだ。 近視など目が悪いことは不便だが、不幸なことで…

梅と雨

屋敷の隅に忘れられた木が年に一度、自分を振りかえさせる。家屋解体のついでに丸坊主にしてやった梅だが、一年でこれまで枝をのばして実をつけた。行きつけの飲み屋の女将がついでに漬けてやると言うので、一つ残らず摘んだ。小さな金笊の方は、美味しそう…

「木苺の家・2」

田を七つの三角に割って歩いて割り出した面積を合計は、661・982平方メートルと出た。小学生の結論である。このリポートには2002年8月27日の日付がある。外溝部に未解決箇所は少なくないが、この夏で一先ず屋移りを終えた。重量計算・刻み・建…

梅雨前にようやく雨樋を取り付けた「木苺の家」

小学生のトモロウと、そのおじいちゃんからもらった田を一枚埋め立てて家を建ててやろうと、夏休みの自由研究として歩測三角測量をしてから長い時間がたった。彼は高校二年の夏休みをむかえている。

魚影・2

まだ「かすがいぐち」という廃駅の土盛りのあったころ、この辺りで鉄路をくぐる川は二つあって今もそのひとつは空を仰いで流れているが、夏にはここに子供たちの嬌声をあげて泳ぐ姿があったといったら周辺の住民に驚かれるだろう。 この辺りに住まいは一軒も…

魚影

木曾川から取水した農業用水はこの地では、市街地で暗渠となって見え隠れしてやがては伊勢湾にそそぐことになttげいる。中干し期に入っても夏空は回復せず、水量は衰えない。線路脇に顔を出した水路を覗いてそう思っていると、久しぶりかに魚影をみとめる…