魚影・2

まだ「かすがいぐち」という廃駅の土盛りのあったころ、この辺りで鉄路をくぐる川は二つあって今もそのひとつは空を仰いで流れているが、夏にはここに子供たちの嬌声をあげて泳ぐ姿があったといったら周辺の住民に驚かれるだろう。
この辺りに住まいは一軒もなかった……。小学校にあがるともう僕は「殺生」に興味を失った。アカモツ、この手で掴んだのはおそらく三度ほどだったろう。以下別稿。