2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

結ぶ曲げわっぱ

この40年夏が来るたび季節ネタのような仕事だった手編みハンモックは、舞台を南の島に移して大きな広がりを見せた。中でも弁当箱を毎朝しばることになるとは、思いもしなかった。その内容物についても、若干のセイチョ―がある。独り身の毎日にたとえば白菜を…

結ぶ曲げわっぱ

結ぶ曲げわっぱ

島の前新伸二郎(まえあらしんじろう)の手編みカゴ

昨日のマエアラ商店は閉まっていたので夜に出直すと、三男(?)の孫が来ていた。跡継ぎですねと言うと、昨日から始めたばかりとのこと。嬉しそうな八〇余才。気を悪くされたら本意ではないと言い訳しながら、持参したサイザルロープで提げ手をすげ替えた手提…

二層式洗濯機のまぼろし

二層式洗濯機を重宝している。ロープを湯通ししたり廃墟ロープを洗う。漂着ロープを砂出しするためには、二度や三度の洗濯では終らない。ステンレス製の脱水ドラムの空間にもやっと浮かんで像を結んでいる、底に張りついた残地物。ホログラムがかくもお手軽…

2018

今年は指の不調で2017年の後半に、予定していたすべての企画を取りやめた。指は今ではどこが痛いのかよく分からない――、つまりはどこもかしこも痛い。したがって見切って、予定を遂行することにした。2018年の予定を写真のように、組み直してみました。先ず…

パンダナス

パンダナスという植物名は石垣島ではまったく通じないが、写真左奥の手提げは「唐蔓擬き」という和名で言われている。 私の結び仕事の派生型のひとつ「取っ手巻き」は、アケビを素材にしてきた。ところを南島に移して、新しい素材に目移りした。もっともアケ…

コンバース

ごろごろを引いてない旅行者の割合いくらいの比率で、足許はコンバースという人がいる。歩く気で気で来た女性旅行者の場合が多い。無印のズックでさへ中敷きに、紙を使っている。靴屋の接客はおしなべて「洗うな、汚れ避けは撥水スプレー」だが、真意はここ…

ただ起きない

大館の弁当箱ササキテイジの曲げわっぱを朝、持って出る際の外観写真をながなが撮った。内容物はへんてつもなく、なんちゃって漬物とゴボウ・豆の炊き込みご飯二段の二人前。例外は三〇〇日に一日もない。主眼の結び紐で、それように生まれたものは一本もな…

震える手

指がやや快復したしたのでここのところ久しぶりに鶴嘴やスコップを持ったからかもしれないが一面囲みの浜矩子と、六面外報カイロ在木村一浩の自爆テロ犯の細報共同通信社を読んで手が震えた。物々交換回帰と、死語カミカゼを思い浮かべたから。

みどりの柔肌

使いなれた純綿の三つ撚り紐で添え木に括って、まだ半年足らず。徳利キワタの境界並木になる苗木に、こんなに食い込んで痛々しい。相性はよいはずだが、幼すぎた。種子から育てた若木の成長と朽ちるロープの寿命を、読み違えるとこういうことだ。ハトロン紙…

むらさきの髪どめとドライラック

それなりに薄ら寒い南島の冬、桃里の遺構で終日片付け。伊野田のミュウジアム予定地を今後は、桃里の遺構と呼ぶことにする。遺構とはギャラリー空間や工房にすべく入手した、蚕小屋だった廃墟のこと。小屋と言っても、24メートル×9メートルほどなものが二棟…

長柄スコップ

身の丈は大げさだった、長柄スコップは肩まで。素人のものでないこれを二本、島に運び入れた。アコウに沿って、単管を埋め込むときには必要だろうくらいの用途しか思い浮かばない。林立した単管は、枕を並べて横になるハンモックを吊るためのものだ。右端の…

スコップ10本

角丸どちらか言えば角スコが少ない気がする、合わせて10本くらいあって普通だろう。牛馬豚舎鶏舎の床をジャリジャリいわせて掃除する目的と、トタン板の五倍ほど厚い上でセメントを練る。小振りだと具合がよいが、それはなかった。角スコの用途で思いつくの…

二重思われ結びと、片二重思い結び

蝶の両羽根の中央タテの一巻きを二巻きしたものを二重結びとして、羽根の片側を二巻きしたものを片二重結びと呼ぶことにしている。もちろん「片思い」を連想してのことで、わんさいど・らぶ・のっと――とルビを振っている。前述「二重結び」はマラソンの時な…

思われ結び

この前後を逆に引き絞るとこれが「思われ結び」だと、言っている――のは私だけのことに過ぎない。そう呼んでもよいだろうと提案しているのです。思い結びと対をなした「思われ結び」だと強弁していると、その使途が浮かんでくる。思い結びと一緒に届けられた…

思い結び

思い結びの、命名の由来は何だろうか? コイル状に二巻きして左右から前後して引き絞ると、これに「思い結び」という名が与えられている。届ける物に紐を掛けたり、草の葉で結んで脇に添えたりした様が想像できる。

お母さんお祖母ちゃんどうした?

コーラル8の常客になってこれほど多くの牛が、生きたまま鉄格子に入れられて海を渡って行くことを知った。稚魚を遠くから仕入れて産地の名前で育てるウナギのようなことは、何につけ行われている。島の「牛汁」を1度も食べたことがない、とん汁には躊躇しな…

食ったれ!

自分でいれるコーヒーもよいものだが、誰かにいれてもらったコーヒーを飲みたいことも多い。紙コップの胴にご丁寧なひと巻きを重ねてくれるのを辞退したり、蓋は要らないナプキンも。座りの悪くて異様に日もちするミルクも、掻き回すプラスティック棒も要ら…

擦れるはなし

管理社会がかくも進んだ時代に、こんな柔軟な風景を伝える。中学の一年の頃だった同じ悩みを、誰にも話さず過ごした。まさかこんな処方を、思いもよらなかった。六〇年経った。

地球ほじくり隊

地球ほじくり隊の最初のメニュウは、一畳サイズに区切ってバナナの記念樹。などと思いつきを言ってS2に、1200坪に散らばる珊瑚石を集めさせた。それは思いつきに過ぎなくてこの一区画を除いて、他所に積み直した。ここだけはS2が植えたバナナとキワタと四…

亜熱帯

「亜熱帯」と「フルーツ」と、名づけようと思う。縄結びに新顔が生まれた。捨てるに棄てられぬロープの欠片の、行く末思案の更なるひとつ。写真のごとく、あやとり紐の多彩なショートスプライスの果て。4メートルと2メートルの輪、一日ふたりがかりで五本し…

成人式の紬着用率一〇〇パーセント

明くる成人式も遠くないが南海日日新聞で陶磁器棚卸し、しばし閑話。

朝六時半まだ真っ暗に、灯り。

しのつく未明、クルーズ船が着岸して朝を待っている。

例えば米袋の開封後は――。

五キロ米袋から一日分二合五勺取り出せば、ビニール袋にはやや余裕が生まれた。口はハサミで開けるが切り離さず、尻尾のように繋げたまま。それで口を絞って二巻きほどした端を、差し入れて締める。親指ごと一緒に巻きいておき引き抜くと、最後に端を差し入…

00234 2017 11 20NOW

デコラティブなスニーカーの「捌ける化・脱げる化」は「ルーシー」と呼んだりしたが、もっとも多いのがこれ。00234で、実例を示せば……。トップ(つま先)から左右交互に鳩目を通して締め上がり甲で結ぶ、あるいは鳩目をひとつ余して結ぶ。バスケットシューズな…

綯わない競争?

沖縄タイムス21面「しましま+トピックス」仲地暁通信員 2017 11 24わらを編んだ縄の長さと美しさを競う縄ない競争――、「綯う」「綯わない」のチェックだけで校閲はアタマが一杯だったか? 運動会の定番プログラムに「縄綯い競争」がある沖縄の新聞が、この有…