島の前新伸二郎(まえあらしんじろう)の手編みカゴ

昨日のマエアラ商店は閉まっていたので夜に出直すと、三男(?)の孫が来ていた。跡継ぎですねと言うと、昨日から始めたばかりとのこと。嬉しそうな八〇余才。

気を悪くされたら本意ではないと言い訳しながら、持参したサイザルロープで提げ手をすげ替えた手提げ篭を差し出した。

薄暗がりの写真はこのために、試行錯誤を繰り返した形跡です。これではダメだと取り外す度にガンシナー(注)を用もなく繋いだりしたが、やがでただ斬って捨てただけのこれだけになった。

前新伸二郎さんは発注数が300と聞いて私の顔を見直したが、取っ手は無しの申し出に心安く応じてくださった。黙っておいて、焼き印で彼の名を入れる。ナンバーリングは18001から18300、三サイズを通して。

バンダナスの名称を使うのが、外来種の私には似合いだろう。マエアラシンジロウ「パンダナスの葉編み篭」提げ手はオガワソウタ龍舌蘭の三つヨリロープ、となる。

初発表は来年二月、春日井市の喫茶「われもこう」に続いたギャラリーで。