2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「物見台・1」

企画最終日、白保での設営を終えてもう一度丘陵部を上って、先回たずねた遺構を同行者と再訪した。白保・宮良の部落が歴史的津波に見舞われたとき、生き残った人々がここまで逃れて集落を再建したという。字名は山盛(盛山だったかも)で、昭和30年代まで1…

「桑の葉」

登野城に安アパートを借りて、日航八重山ホテルむかいのマンスリーマンションから事務所を移した。兼、住まいである。こうしてゆっくり本拠地を落ち着いて探そうとおもうのだがと、散歩ながら思うのだ。 アパートは裏通りで公園と素人くさいシホンケーキの店…

「桑の実、まだ三月の路上にて」

石垣島で二月の個展から月を跨いでつづけたハンモックの手編み体験とその設営のパフォーマンスを、三月二二日白保珊瑚村にて終った。この島での挨拶のつもりだったが、予想以上の方々にお会いすることができた。この「上等」の滑り出しをどのように展開する…

「北谷シベー物語」冒頭、派出所で提茶に際した土瓶・湯呑

島外からやってきたどこにでもある郊外型のレンタルビデオ屋、この島のニーズに応えてきたのだろうTV番組を背に手書きしたビデオを揃える町なかの店、この二軒のほか気になるレンタル店には、初めて目にするものがならんでいた。 オキナワ固有の、大衆演劇…

34-94

美人画や「怪人二十面相」の挿画で雑誌や新聞小説の世界を席巻し、わずか三十四歳の若さで世を去った挿絵画家、小林秀恒。戦前のわずか七年ほどの短い時間を文字通り彗星のように駆け抜けたその人生を、私は妻としてともに歩んだという。東京での初の回顧展…

ハート珊瑚

川平のグラスボートが、遠くに浮かんでいる。三月一日の浜は大きく後退していて、シオヒガル(なんてどうかな)人々の姿があちこちにあった。 おっ、ここにもまだ降りたことのない浜に続く道があるぞ……。私が拾ったものは、ハート型のサンゴのかけら。宮脇心太…

「今日のやぎ」

長いロープやら流木やらぞろぞろ抱えてウイークリーマンション「花水木」三階から降りてくると、今日のヤギはどーかなと思うわけだ。仲良く犬と草をはんでたりすると、なにか今日は善いことがあるかもしれないと思うのだった。 もっとチープな部屋を探してき…