結ぶ曲げわっぱ

この40年夏が来るたび季節ネタのような仕事だった手編みハンモックは、舞台を南の島に移して大きな広がりを見せた。中でも弁当箱を毎朝しばることになるとは、思いもしなかった。

その内容物についても、若干のセイチョ―がある。独り身の毎日にたとえば白菜を丸ごと買うようになった、とか……。判割りにして、まず干す。

現代人の暮らしの中で衰退してもう消える灯火のような結びを、どれほど永らえさせることができるだろうか?