むらさきの髪どめとドライラック

それなりに薄ら寒い南島の冬、桃里の遺構で終日片付け。伊野田のミュウジアム予定地を今後は、桃里の遺構と呼ぶことにする。遺構とはギャラリー空間や工房にすべく入手した、蚕小屋だった廃墟のこと。小屋と言っても、24メートル×9メートルほどなものが二棟。片方は屋根が落ちている。

洋上でハンモックを編む趣向で小笠原に三往復したおり、ひとけない父島の浜で黄色い手のりインコと日向ぼっこしている娘をハンモックに載せた。不思議な写真が撮れた。

クルーズ船が停泊できる港はなく、ふじ丸は通い舟で行き来した。戻る予定に便は限られて彼女を追いたてて片付けて戻ると、ハンモックにはこの髪どめを巻き込んでいた。

手編みハンモックの講座はその後の小笠原島でも続くつもりだったので、返す機会もあるだろうと思ったが遠のいてしまった。まだ再訪を諦めていない印が、この髪どめなのである。


シルクスクリーンで作る当面のものは、結びを図解したバンダナを刷ること。ドライラックは一つだけ持ってきてあったが、ようやくハネ上げ式のコイルバネを80段取り付けた。重くてかさばるので、外して荷造ったままだった。

布へのプリントは捺染(ナセン)は衰退して、被膜圧着やジェットプリントが巾をきかせている。こっちはもちろん昔通りの抜き型にスキージで擦る捺染