明日ふく風に今日ふかれるわけにはいかない。三歩さきの船着きの壁のしたは、塩水が満ちている。散水か雨だのみか、埋め立て地の突堤に水脈あるものか。
並ぶ鉢に蛸足を踏ん張ったアダンが、直立している。その境遇に立つ。鉢の元を見遣ると隠れ鬼するように、異相の葉が覗いているではないか。
根づく見込みのない鉢植えの列、並木隔絶遊離。樹も かりそめに並ぶ島の桟橋風景、風呂桶なら二人という大きな鉢の元を見ると
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