あのタグポートが、なんだか黒い塊を曳いてきた。午前七時も近くなると、港のあちこちが騒がしくなる。
20×50くらいの双眼鏡じゃ、船名もみえない。スタンドに固定して高倍率の、本格的な離島桟橋ウォッチャー。老後の思いつき。
その15分後、海上保安庁のひらがな三文字挺が、専用岸壁を離れた。名蔵沖に港外待機挺と、入れ替わるのではないか?
いよいよ基礎工事の朝午前六時に港を見ると、「2」の曳き舟が音もなく離岸するところだった。後退りして港の開口部に針路をとると、滑り出ていった。赤い橋脚をいただいた彼はクルーズ船が入るオンシーズンは、沖縄からやって来て離島桟橋の先に常駐してい…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。