湯冷まし

中村康信の土瓶をこの一五年ほどのあいだに一五〇個くらいは売った。旧・小原村に彼を訪ねると、もう陶芸は趣味だよなんて言う。窯の中にナマのものが詰まっているが、ブタン・ガスを買う金がないというのだった。
万古の五〇〇円の急須が善くってと茶を煎れてくれながら、自作はその前に湯冷ましとしてこう使うのが具合いがよいとのことだった。