不具者の幸福

大西洋に面したアフリカの小国の女性大統領が、ノーベル平和賞を受けたとTVが報じている。
爆薬を始祖としたノーベル賞に、なぜ「戦争」賞がないのだ。
TVにその大統領の受賞スピーチをきく、若いアフリカ女性が映し出された。
つぎは手足のない元兵士たちが、サッカーにうち興じている光景だ。
彼ら相互には手足ばかりか命もやりとりする対立があった。
それをピッチの中にだけ留めおくことのできる今を慶ぶ……というようなことを女性大統領は言った。
 
日ごろ見聞きする身近なスポーツが、空疎なお祭り騒ぎに過ぎないのは言うまでもない。
 
命までとは言わないが、手足ほどのものをやりとりする真底対立したものが不在だからだ。
沖縄にはある。