パーマネントコレクション

二度は大工を連れてきたが一月足らずでギャラリーが出来上がるはずもなく、これからは自分の製作の現場でもあるわけだから空間の趣もゆっくり醸し出されてゆけばいい。まだ手を入れると言える段階でないが思いつく所をドタバタ触っていると、我がパーマネントコレクションが形をなくしていくのに手を貸したかもしれない。

一番初めに出会ったサンドボールが半壊した。それらいくつかをそっと移動して、残りはペットボトルに分類して戻した。もうそのどれもサンドボールではなくて、ただの砂。

具志堅陽咲のこの夏の記憶とあちこちの砂浜は、どちらが長らえるだろうか。砂浜はふと甦るものではない。いいえ、いわおが砂になるほどの時間に長大な目盛を刻めば砂浜さえ、ふと出現したと表して差し支えないだろう。