台風のコースによるのだろうが、この島では浜歩きの初心者だ。流木はどこに求めるべきか？
というより、私が知っているのは１００度は出掛けた伊良湖岬だけだ。
だが思えば其処は此処から見れば、北上を続けた黒潮の行き着いた果てであった。その許を辿って、此処まで到達した。
其処は自宅から１００キロも離れていたので、１００度通うのに４０年を要した。
此処では一年とかからないだろう。
この島で伊原間の浜に降りたのは、これで２０回目くらいだろうか。もうその回数を、数えることもなくなるだろう。
引き上げるころには、どこにも灯りもない。スマホのカメラを、月星マークに合わせて撮った。
