マニラ麻にお目にかからない。この岡に上がった帆船から取り外した滑車に巻かれたこれが、そうではなかろうか。
麻が褪色すると白くなるなんて……。
このままでは渡せない。この滑車の新しい使い手も現れるだろう、ロープを新調するのはその纏め方を知るのにもってこいだ。
頸をくくる細ひもを三つヨリのひとつをこじ開けて、端を通して巻きはじめてある。
長く出来るだけ巻いたら縦に絞って、縦筋ぜんぶを掬ってひと結びしたら裏に廻して中に掬って端が隠れるように切り落として始末してある。
しばらく使って伸びたら巻き絞め直す。二度ほど繰り返すと、具合いがよくなる。使いながら負荷がかけられて、完成していく。
