当家の器

荷を確かめる最後は、当家の器。
塗りものにしろ膳にしろ一〇〇客を捨てに捨て燃やしに燃やして、これだけ一便の隅に入れて運んでみた。もくろみはあるが、果たして……。

腰の張った奥の一〇客は汁碗、手前は飯椀は七客。かわいらしい湯呑みが一一客。

いずれも石炭窯時代の瀬戸もの。

銅板転写、柄をよく見ると鳥。飯椀は不揃いだが、蕪。


一〇〇年は経っている。再び活かすには、生活というものが営まれねばならんな……。