春がおみやげ

枝打ちした小枝
縮緬の花芽
「春がおみやげ」

桜伐る馬鹿
梅伐らぬ馬鹿
の、陽の目を見ない小枝を三〇〇本用立てに
暮れに島を離れることにした。

縮緬のごく小さい針坊主のようなものは、花芽に見立てたもの。
事実その小枝のポイントには拡げる準備をまっている花芽の、萌芽が下敷きになって立ち枯れている。

この趣味の悪い趣向をとりなすのに、中綿をとっくり棉を使うことを思いついた。
とっくり棉だけでなくて構わない、タンポポなんかよりぐっと盛大な綿毛を持っている植物は亜熱帯におおい。

去年おととしと本島で、とっくり棉のパンヤをかなり拾い集めた。
小枝三〇〇本くらいならそれでまにあうが、この島のとっくり棉も使わなくては。

12月はじめ一つふたつ咲いていた木を確かめると……。