二つの図書館と二つの貼り紙

先の土曜日二月十六日、もと県図書館のウィンドーには閉館を知らせる掲示物は、一枚だけになっていた。
予想に反してなぜこちら側だけが残ったか、詮索することに魅力を感じない。

外壁の県図書館のチャンネル文字はとっくに剥がされて、ノリ跡健在で十分それと読めるのが皮肉。

ここを残せと人は言ったが、自分たちならここをこうすると展望を示した人に会わなかった。在るものをなくすことはないじゃないか……だけでは。
図書館はただ本の詰まったハコじゃない。
久茂地の児童館だって建て替えるよりカネのかかる「歴史的建築物保全プラン」をブチ上げてやれば、他に道もあったのではないか?

二枚のお知らせは「県図書館は閉館します」というものと、「県の図書館は閉館になります」というもの。

一枚は海を渡って本島からのお達しで、もう一枚が利用者へ現場からのメッセージになっている。

シマスとナリマスの語法からどちらがどちらのものか判りそうなものだが、そうではなくて逆。私はこの島の旧図書館の職員室だちをときどき口に出して労った。