実利の選択

腰にコタえる素焼き鉢ふたつ。窓際の小鉢に、碗に浸けた根着きの緑。

わざとらしいインテリアの小道具に、せめて実利の選択。

台車で運び入れたら特大サイズは、ベランダで不動のパパイヤ二柱(まだそうは呼べない丈だがいずれ)に、パッションフルーツ二株。蜘蛛のような現場作業で、グリーンカーテンを構成するネットを編むことになる。

来客の有無によって出し入れする鉢には、徳利キワタにコーヒーの木とパインを寄せ植えたのだったが。
潮風のせいか、新しい葉を広げては茶色く傷めてる毎日だ。


窓際にはパセリと青紫蘇にシナモンバジル。飯碗にはカイワレ。

百客も揃っていた冠婚葬祭用の器を三分の二も捨てて島まで運んできたものを、一つ日の目をみさせたいわくである。

広角で苦労が偲べる写真にできたら、早々に胃袋へと消える運命のもの。