帰る処、もどる磁場、回帰の途上で通過するスタートライン。第一歩を記した記憶にすぎない。ふつうはずっと若い体験だろう。

浜で緑蔭で、芝生でギャラリーで、港の見えるベランダで。ガジュマルの根元で。1Kに鉄パイプの構造材を組んで……、などなど。あたらしい図録に載せるハンモックの新作写真は、原則として人物のないものにする。

天気予報をあてにせず青い空と海が、1Kの中のハンモックの隅に収まったかどうか。いちにちがかりだった。

日没、横になると窓から月が見える児とを、今更知った。
真南七〇度、下辺が三割ほど痩せている。