つま先を握る話

毛深い某の耳を布団挟みで物干しに吊るした満月の夜。
目が回ると言うので脱水は八分だけにしたのがいけなかった。
取り込む前に彼のつま先を握ってやった。かたくかたくぎゅー。

信じられない再会? それもある。彼の末端にしずくが溜まっておってね。
ちよっと恥ずかしそうだったよ、クマの縫いぐるみは。


彼に科されたものは三歳児をハンモックにいざなうこと。
奇跡の再会については別の機会に。