眠る曲げわっぱ

上下二段の両方に漆が入ってしまってギャラリーの奥で眠ったままの曲げわっぱ、陽の目はまだ先だが「片割れはいま出来た」と八〇余の作者。

いくらなんでももうじき一年と電話をしてみると、これほど遅れてもう要らなくなってるかとお知らせに気後れしたと仰せなのだ。無塗装飯入れ分。

デザイン坊主(わたし)が先回は事情に疎いカーブに拘って、ヤレをこんなに出させたとごみ箱の中をのぞいて恐縮した。

「今回も恐らく」と言ってみると、材を選んだので……というご返事であった。 送るとおっしゃるが、伺うと申し上げる。おそらく最後のしごとでしょうからと、電話を切ってから言った。。

これで15組×3セットづつだった曲げわっぱは白木・朱塗りコンビで倍増、組みを外れたいくつかを島の秋田料理の店「紅ほっぺ」にやって喜ばしてやろう。95組という計算だが、小数なら200近い! 
途方に暮れるが、来年の春のことだ。明日は明日の風、台風だろうか(*^_^*)