古いTシャツの柄

島から戻るたび半月もすると、遺品整理や旧宅解体の処理にうんざりする。際限のない始末に思われて、いつまで経っても馴れるということがない。

はかが行くようになったのは、扱いがぞんざいになってきたからだ。
襟首の黄ばんだ息子のTシャツを一枚、焼却炉から掬いあげた。こうした結びをモチーフにしたカットをときどきみるが、これはそんな偶然のコレクション。
スタッフTシャツのように十枚も持っていた。
ベント、ライン、ノット、ヒッチ。語から受ける印象も、私の中でずいぶんとふくらんだものになった。

シミは落ちないだろうから薄く染めて、島に持ち帰る。