キムと森のオオカミ

スカンジナビア半島の森林オオカミとの交流を描いた、学校の視聴覚室で観るような映画。

野生のオオカミはもっと腹が削げてるだろうかヘラジカもクマも芝居するし、キャラクターも二面性を描けないどこかの教育映画とは一味ちがう。

50メートルも太いロープをしょっているが、金剛打ちの化繊ロープなら12才のキムにも可能だ。

両端のロープのまとまりに載る人の重量が集約される構造がハンモックだか、添付写真のような掟破りの耐構造のものが出回る昨今を憂う。

これでは張り棒が両方向に引っ張られて、張り棒がネットを拡げる目的主眼から逸脱している。

燃えない紙、割れない硝子、濡れない服……、技術革新がもたらした可能性がベーシックな物の質感に相応した機能性を混乱させた。

ひいては人間の身体感覚を不相応に拡大させて、私たちの文明は幕を下ろすことになるだろう。私はハンモックについての記述の締めくくりに、私たち人間の歴史はもう五百年との残っていないだろうとこうした些細な例から思うと下書きした。