逃亡者を追い越す追跡者の話

写真上より芽衣の壺絵湯呑み、萬福の薪窯クッキー抜き型透かし皿、父の遺した網針。
どれも損壊再生後の記録である。

藤野可織が若い芥川賞作家と知った古書店のその隣の背表紙に、「男のるつぼ」群よう子あり。
運命のプッシーキャットを追いかけているつもりの鈍な雄猫を思い入れたっぷりいい募るくだりを立読み、器の山の台帳整理からの逃避行為がもたらしたもを列挙してみた。中ほどはまたにして〆は再生であった。私もその雄猫ほどのもの。