ご自由に載っていただけます、その前に……。

私のハンモックはフラットに吊れるもので、キャンプ場で15分ばかりブランコ遊びされるのは本意でない。朝まで寝てもらえば遊具の範疇を越えて、寝具としてハンモックを見直していただけるだろう。

そのためにはまず少なくとも小一時間は、ハンモック上で横になっていただくことができました。ばんやファームでの野外設営展示は打ち上げましたが、何本かはハンモックを緑蔭に残そうかと思います。

脱着ができるだけ簡便な構造や、幹を痛めない緩衝構造も工夫します。頻繁に仕舞い込む必要のない素材研究も忘れていません。しかし、なんといってもモノは空中に浮かんで寝る道具!

安全に対する目配りを欠かすことはできない。ギャラリーから離れたら山麓の園地に設営した今回も、ファームの方には管理上のお世話をお掛けしました。何人かは地べたと急に仲良くなったでしょうが、それ以上でなくて良かった。

帆布張りのハンモックは風を受けて、クルクル回ることがあります。写真はそうしてヨリの戻りかけた、吊りロープの様子です。このロープは純綿直径12ミリのもので、正常なヨリなら2トンくらい平気で吊り上げられます。

割れない硝子、濡れない紙、燃えない布……技術革新は「掟破り」に進歩して、ともすると現代人の我々に暮らしの「作法」を忘れさせます。前方障害物を関知して勝手に止まってくれる車さえ、すでに路上に出ています。早晩困った事態を引き起こすことは、目に見えています。

私はハンモックをこうした、流れの中に置こうとは思いません。港湾使役でも山岳登坂目的でも、もはや三つヨリロープはその世界から退場しました。

しかし、(以下紙媒体)。