とっくり棉・16

上ばかり見て16本の、テキトーに頭をはねられた街路樹を子細に見て過ぎる。
市役所を隔てた鎖が、午後の陽に投影している。
とっくり棉の行く末を案じて目を落として鎖の一つ一つのねじれ具合と、それが作る影とを照応してみるのだが、フォルムはデフォルメされて知覚されているのだった。