118足め。

靴の左右はすべて、異なる組みあわせに結んでいる。
この違色異相のとりあわせがしっくりしたものであるために、視覚的な「韻」を踏んでいる……つもり。

破調と言えばよいか。互いに結びあう必然を見出だせるように。

一〇〇足に及んで、次第にコンビネーションの許容範囲が増大した。これほど(№00118)相方と、かけ離れたもの同士を結びあわせることになるとは思いもよらなかった。

図録収録の区切りまでに撮っておきたい靴が、まだ一〇足ほど作業台に残っている(2014・11/08)。
作業台は三枚、どれも910×2730ミリ。

人が身を横たえる寸法のハンモックを、この上で編むためのものだ。
ここの一列横隊はもっとも可愛らしいしつらえと、それと対照的な重厚な……一口で言えば沈んだ色調と縒(よ)りに抗した質感のロープで結んだ締めくくりの一〇足になる予定だ。



靴紐の素材は主にハンモックを編んだ残りの端材であるが土木運輸・海浜港湾の使役の果てに廃棄されたロープ・漁網、あるいは漂着ロープの一端をあしらっている。

島に来てずいぶん日が経ったがようやく一仕事した気になって、晴々と港を散歩した。長年閉店セール中だった雑貨屋が、離島の際限のないスクラップ&ビルドの渦中にあった。解体工事の遮蔽天幕の鳩目に取りついた紐は、五つにひとつは縦結びになっている。