「かりゆし」と「平成丸」

港を見て暮らしている。
この島に行き来する凡ての船の
プロフィルを作りたくなった。
日捲りに収めたら、365隻なんて……。

プロフィルだから、横顔。視点仰角は零。この海側の五階では
彼らの望まない舞台裏が
見えてしまうと舟々は言うだろう。

好ましいのははたらく舟だ。
下半身が千切れたような
写真のフェリーなんかが、ご贔屓。
もう一艘、「やえやま農協」と名乗った似た風情のフェリーも
きのう来ていた。
いつもは離島桟橋の先に泊まって
仕事をまっている、


これに舳先を向きあわせて
重油を出前する可愛らしい補給船が第二……何丸だったかな?
のちほど確かめる。

この桟橋が鍵型に接した先は、「第×琉王丸」の定位置だったが、クルーズ「アクエリアス」の暇期になって
那覇に帰っている。
この赤い高い橋脚のようなマストに「2」と画かかれたタグ・ボートに再開するのは次の春。
春。遥か。春は遠くにあるという意味かな?


他にも愛らしいタグ・ボートはいて
いつも浚渫作業の汚い鉄のハコを曳かされている。

夕方かれがワイヤーを外されて闇に
消えて行くのを見送る私がいることを
教えてやりたい。

片手にグラスがあればご苦労様と。


はたらく舟について、以下は中断。