西日射す御嶽

御嶽はオンタケで変換しているが、島では「うたき」。港の一翼を形成する人工島とを橋渡しする地点、かつては波打ち際で航海・漁業・海浜神事の一切を仕切っていた御嶽が、喧騒に俯くかのごとく存在している。

その橋詰に日没の名残りが、地上の構造物の隙間をすり抜けて切れぎれに届いている。塀に照射した光の斑点は明瞭であるが、木立の瘤に当たった領域は不明瞭。

何となく発光しているような、或いは裡から洩れ輝いているように何か言いたげな隆起
だった。