八重山キリスト福音教会裏庭と新栄公園北児童園地

教会と名乗る看板を立てているがプレハブ小屋、その裏庭とも呼べない一隅に隙間なく生えた二本。太さは共に電柱ほどだが、木肌の違いを見れば生きてきた年月の差というものを思わせる。一度お話を伺いたい。

農協の側から西に歩を進めると到達する新栄公園の始まりは、遊具を新調した児童園地ゾーンになっている。その先に奥に向かって、トックリ・キワタが三本ならんでいる。昨年からこの春にかけては、ひとつも花をつけなかった。

はっきりした記憶ではないが、二三年前までは咲いていたのではないか。教会裏の二つは今年初見にして、その有無をしらない。

この一〇〇年足らずにラテン・アメリカより持ち込まれたキワタだが人知れず鋭いトゲをたくわえた彼に、分け入った緑のなかで出くわしたらどんなだろう。

来年は夥しい苗を育てるだろうが、見事なその森を見る日まで人の形をしていないだろう。こんな残念な気持ちに、久しくなったことがない。

トックリ・キワタのタネの旅は、タンポポの綿毛のような指向性をそなえていない。これを「モヤモヤの旅」と、以下別紙。