風速70メートル余の風

島の五階部屋の窓は割れ椅子やザラ板は何処かへ姿を消して、デッキの洗濯機もすんでに飛んでいきそうだった。デッキは角部屋からさらに張り出した構造で、結わえてあったロープの撚りの戻りか多から風が巻いた様が伺える。

ロープのええとその先に、何が繋げてあったのか? 身を乗り出すと我より低い周囲の屋上が。あっちもこっちも、なんだかさっぱりしているのだった。

ナナサンマルの一角を見下ろすと、見覚えある椅子の残置物。島一番の十字路でも風か、一方向に巻いたようだった。