子供電話相談

正確なタイトルと相違あるかもしれないが、夏休み子供電話相談がカーラジオから流れていた。夏休みもこんなに押し詰まってのことだったかな?と思ったから、夏も末。番組も下り坂?あるいはますます盛んで、休み中に何度かあるのかも知れなかった。

軽トラであしげく乗り降り積み降ろしの最中とぎれとぎれに、幼いおんなのこが「クワガタはなに食べるんですか」と訊いていた。回答者も色々で日頃の孫との手だれの楽しいやりとりを彷彿とさせるその筋の第一人者もいれば、小動物にでも発する猫なで声以外に幼児にたいしたスタンスを持ち合わせていないご仁もいて可笑しい。

人材っていないものだ、NHKのチャンネル(ラジオならバリコン)が細いのか、アカデミズムが金太郎飴なのか。六歳児に「コナラくぬぎって分かるかなぁ」。

分かるわけないでしょ。「そのお汁を吸ってるの」なんて言ってる。訊く方もきく方なら、答える方もきく答える方だ。目撃したことがないんだな。朝のラヂオ体操の帰りでは遅い、行きに巨樹のうろの横ミツ場を覗くと、いるわいるわ!セセリの翅の先は、三角翼機のようにかっこ良かった七歳の夏……。

秋雨の走りのようなシトシト雨に濡れて、ドングリの赤ちゃんが九月を知る。わたしは帰る家を失った。島にガラスを割って台風が押し入ったマンションの一室が、棲みかである。すべてのものを洗って干す、悪い機会でない。