ロープ欠片

大垣の岡田防水布店で染めてもらってる柿渋の、四ミリロープが尽きた。トリッペンの革靴はつまるところ、この四ミリの柿渋ロープで結んだ六足が最終形になったからだ。

オーブラ・レンツさん、堀典子さんに初めに見ていただいたトリッペンに結んだ最初の靴がこの柿渋の四ミリロープだった。五〇作ほど手をかえ品をかえて結んだが、第一作を越えることは容易でない。

写真のDM記載の企画に併せて48足で倍判図録を新たに編むが、レンツさんに100種類とトリッペンのベルリン工房へ手紙に書いていただいた通りになるだろう。

わずかに残った柿渋ロープの欠片に、二重リングやスナップフックを取り付けた。こんなミュージアム・グッズが、やがて土産になるだれう。写真でお分かりだろうか? 二重リングにオリジナルの字句刻印の特注品。ロットはなんと金銀各4000個! 死んでキーホルダーを遺した……と言われるに違いない。

刻印した字句については長くなる、いずれ紙上で。