赤色蝙蝠

演出でなくこれが、室内の自然な写真。輪島塗の椀一〇〇客揃いに、蝙蝠の沈金がどんな風に有難いのか? お婆ちゃんにその昔訊いたことがあると思うが、覚えていない。六〇年も前のこと。
 
なぜどうしてを連発して、家族中を困らせたものだが──。二〇客ほどに減量して、島に運ぶ。島にはフルーツ・バットという名を持つ、蝙蝠の大きなのがいます。
 
その羽ばたく様もコウモリ離れしたゆったりしたもので、初めて見た日は蝙蝠には見えなかった。室内写真に赤いフィルターをかける「赤テント」も、近く用済みになる。
 
その内容物を鹿児島まで陸路で運ぶ第一が、明日発つ準備ができた。