海のサンド・バッグ

接岸するときの緩衝材に不粋な古タイヤを縁に廻らした「はたらく船」ばかりだが「働かない船」は肉厚のバルーンや、こんなサンドバッグのようなものをいくつも提げている。

サンドバッグというには細身だが、内容物は発泡材。タイヤやスチロールが生まれる前は、何が入っていただろう?

古い蒲団綿では水を吸ってしまう、ドンゴロスに杉葉──くらいしか思いつかない。さてそのサンドバッグにふさわしく浜に着いて久しいこれがいつまでも砂を吐くので、港の潮風に晒している。これを手本にひとつ編んでみたいのだが、いつまでも家内に持ち込めないのだ。