アダン

縒ったり、これも撚ると同じヨル。編んで結ぶ仕事の延長線上に、土瓶の取っ手もアヤトリもスニーカーのデコラティブな紐遊び同様のものだ。石垣島に来てさっそくガジュマルの気根を土瓶の取っ手にしつらえてみたが、使い込むと次第に痩せておもむきを失った。

アケビやブドウ蔓とは勝手が違う、そりゃあそうだろう。島で過ごせば事情もだんだん判ってくるだろう。そう思って七、八年が経った。

この秋はこれでアダンの気根を15本ばかり、まとめて裂いてみた。今日のこれは七本、二日も陰干しすると、ボリュームは半分以下になる。クロツグも丈夫な縄になるが、アダンの乾いても柔軟性を失わない堅牢──強靭。そう言った方がよい。ちょっと慣れた、二ヶ所切り傷得はしましたが。