ひとつと七つの物語のある結び

先にラフスケッチを発表した愛に関する結びのものがたり、ラフスケッチより先に実物が五セット作ってあった。それを見てラフを描いたのだから本末転倒だが、言い訳もある。

こうした仕事は首の上に載っているモノより先に、指先に導かれて為せる業。手がアタマの奴隷になっている毎日からの開放感を、こんなふうに感じることはなかなかない。

写真いちばん左が「トゥルー・ラバーズ・ノット」、真実の恋人結び。次は桃色側を二巻きにした、アンバランスな結び。特別な工夫があるわけでなし私の創作だと言うほどでもないが、──恋はしばしば不平等なものだ──というメッセージのつもり。
書籍だけでなくロープワークの情報は多いが、知る範囲でこの結びを示したものにであってない。

したがって名付け親を気取ってみたがその名が何んであるかは、機会をあらためる。