大隆丸

クルーズ船を出迎え接岸・離岸を介添えする専用タグ・ボートが石垣港に常駐するようになって久しいが、離島桟橋の先の定位置にいると501から赤い放水銃が見える。

近視のまま老眼になった目だが、なんだか違うような気がしてた。確かめにいくと果してタグボートは別の船と入れ代わって、船体には「大隆丸」の名があった。

二連の放水銃は単身に変わっていて、遠目の我が確かさに驚いた。ウエルカムの横断幕を張っている。WELCOMEでよいが、中国語が併記する気はないようだ。

そういう気遣いをみせる国民性は、欧米人にはない。さきの敗戦時についた乞食根性か、とっさには判断には迷う。

中国人も自国語の歓迎メッセージをみると、そうしたニュアンスを受けとは思えない。というのが、私の感想だ。チンパンジーとゴリラとオラウータンくらい、大陸の東洋人と欧米人と我々は違っている──。

かつて目にした「熱烈歓迎」は流行らなくて、降臨だか光みたい(テキトーで失礼しました)な四文字を張り出している。

さらに先の突堤の補給船ペアの船名を確かめてきた、次項。