一〇年前の流木に、伊野田漁港の一本を加えた。

かつて島に来て挨拶代わりに開いたハンモック展の趣向は、八重山の島々の浜に流れ着いた流木にハンモックを編んでしつらえる……というものだった。

実用とは言い難いごついハンモックはその後ほどいて、流木はホコリを被っていた。それはこうしてぶらんコレクションとなったが、伊野田の浜に流れ着いた流木はなかった。

先日引きずってきた枕木大のこれは、三人掛けのブランコになったのである。

公園にあるブランコと違ってゆれ方が、同じ繰り返しでない。少しづつ増幅するブレ、それが自然というものだ、