やしのみ

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椰子の実流し
31年目になる渥美半島との交流催事、今年初めてその一部始終を知った。
熱帯低気圧が海面を揺する、百名近い参加者の具合を悪くして東シナ海の外洋に出た。太平洋側に投ずるかと思ったが、八重山黒潮を割って西側を北上しているとは知らなかった、

砲丸投げの要領であごで挟む前、耳で振ってみるとカラカラいってガッカリさせる……。これでは芽は出まい。この島ではココヤシを見ない。実から芽を出した鉢植えがどこかにあったが、地植えしてみようと思いつかなかった。この島に自生しない理由もあるに違いない。

事務所に参加申込みに行くと、長野の輸入業者の上書きのあるダンボールが平積みしてあった。カラカラ音のする輸入ものを黒潮に載せることもない。さっそく育ててみる。間に合うだろうか? 桃栗三年椰子八年……くらいだといいのだが。