荒縄の提げ手

藁縄は直径を正確に言いにくいが、径を一〇ミリか強く撚れば八ミリくらいになる。農作業や使役・土木で普通に使われてきたワラ(粗)縄では、太い方から三番目くらいのもの。(確かめると、表題)。
竹垣を結わえる用途で置いてあったものを、したがって島外の庭師御用達の竹屋で買うようにしてきた。

島のホームセンターにもあるが、時間が経っている。これにはその新しくないくたびれたナワを、わざわざ使ってみた。
芯材はもう少し強度のある漂着ロープにして、擦りきれた風情に巻いてみた。そうすると女の手には「手に余る」こんな提げ手の、パンダナスの枯れ葉編み篭が出来上がった。

くたびれた漂着ロープの提げ手の私の自作の篭がネット上に出てると、ボラボラ島のアントニオ・リヒテルスマホを繰って見せてくれた。
それよりさらに存在感のある荒縄手で、これは紐仕事今年一番の収穫だとニヤニヤしてたら、夕べは日付けが変っていた。

と言ってこの翌朝は遥か日の出まえなのだから、老人は持久力に欠ける。

前新さんとの二人仕事の篭の図録の、表紙はこれがよい。女性客はよい顔をしないが構わない、今年の仕事仕舞いが気持ちよく出来た。

今日からは「アコウの森」に三畳だけの板の間と、三畳だけの畳の間を造る。

アントニオにパンの実を四つやって、ドンキまで送ってやった。クラブメットの宿舎で、肉と一緒に食べると。
アントニオには日独仏ポリネシアの混血児で相方は日本人で、松戸に生活の基盤があると神輿を担いだ写真をみせてくれた。

冷凍保存しておいたパンの実がうまく解凍できるか、相互理解は覚束ない。パンの実はタロ芋と並んで、ポリネシアの常食の双璧なのだそう。