柿渋の曲げワッパ締め紐
柴田さんが造った弁当箱にしたのは、無塗装の白木のままの曲げワッパだから。
これが使い手には、意外にハードルが高い。団塊世代にも数えてみれば、お櫃(ひつ)が食卓にあったのは七〇年もムカシのことだ。
気にもしなかったが、あの頃、我が家の台所の実権はおばあちゃんのものだったろう。
また、お櫃はひとつではなかったろう。遣いまわしたその一つはいつも、伏せて乾かしてあったのではないか?
いずれにしても随分と、黒ずんでいたのではないか? それがどうしたというのか!
(以下紙)。
可愛らしい色々を用意してきたが、そうしたハードルには柿渋こそ似合いだ。
柴田の曲げワッパのユーザー像を、カクノゴトく改める。
柴田バージョンの曲げワッパ締め紐の、しつらいの組み合わせが出来上がった。
下写真で締めたのは「叶う結び」のストッパーに、先細りのバックノット。
中は八の字結びのストッパーに、大頭のバックノット。途中から綿ロープに繋いであるか、個々に異なる。
素材が手編みハンモックの、余材に由来しているから。
下は初めに報告したトゥルーラバーズノットのストッパーに、縒り目をほどこしたアイスプライスの端始末。
各部所の加工は同一だが、個々に印象に異なるものがある。
繰り返しになるがそれは、ハンモック作りの副産物として生まれたから。
※先細りのバックノット=反時計回り・上から下。
大頭のバックノットについては後述。