二本の腕木

ネットを肩幅に張る添え木をわが「ハンモック&昼寝協会(※いずれ後述)」では創立来三〇有余年に渡って、「張り棒」と呼んできた、ふと、腕木としてみたら収まりがよい。腕ならなんとなく、縦方向に支えるニュアンスが感じられるが、ハンモックに「腕」なら、これは他人の腕だろう。見守られて眠った遥か昔が想起されて、悪くない。

台風18号の仕業の枝が二本、幹から離れた。一本はオリーブの枝で、もう一本はサクランボ。どちらも子どもの腕くらいの太さで、かわいらしいハンモックになるだろう。これを「きいちごの家」の貸し駐車場に植えてから、まだ五年くらいだ。どちらもまだ、一つとして結果を見ないうちに片腕をもがれたのだった。