ひとり、つくなって。

秋の収穫がすんだ隣の田んぼにひとりつくなって(しゃがみこんで)、小川茂春さんが散乱した藁をひとすべ二すべと集めて束(そく)を結っている。あたりはやがて夕闇がせまり、喧し屋のばあさまが呼びにくる。
この藁はただの藁でない。刈り取って一度も雨に当ててないモチの藁で、買手のついたものなのだ。青々と見るからに、よい匂いが離れて傍観する私のところにまで漂ってきそうな光景である。
快晴は明日まで。私もあすは馬力をかける、などど思った昨日だった。