島のレンタルビデオ屋
島には島のテレビ事情があると想像させるのが、ビデオ屋にずらっと並んだ聞き慣れた連続TV番組の 録画テープ。全国展開するビデオ屋には見られない光景。
なかでも「ベストムービー」には、それにくわえて沖縄芝居のビデオが、壁の一面を占めていた。
よそ者にはなかなか手が出ない代物だか、仕事柄劇中ヤチムンの小道具が気になった。
トロボーものといってよいのか、こそ泥とお巡りの軽妙な掛け合いが面白い人情喜劇で、デンスケ劇場を連想した。
お巡りが茶をすすめているのだ。といっても字幕のほしい会話劇で、僕のスタンプ欄には三つで途切れた。
いつかスーパーを付ける会！をしたいなと、思わないでなかった。
それが昨年始めだったか、閉店の貼り紙。二階や隣家を訪ねたが、連絡をとることができなかった。
また昨年の暮れ来島時にふと思いついて、店があった近所の行きつけ「えいこ鮮魚店」で白長靴のえいこ嬢にもしやときいてみると。
果たして付き合いがあるとかで、くだんのビデオをどう処分したかきいてくれた。
結果はがっかりするものであったが、それならそれで誰の手に渡ったかを突き止めておきたい気にもなるのだった。
