かせくり

父が作ってくれた枷繰りは三つあってこの二つのほか、一つは石垣島にある。独居老人の巣のようなアパートだが、造形研究所石垣島準備室の表札を提げている。
この二つは僕が30も過ぎてから手近な、たとえばパイプ椅子の脚なんかを利用して作ってくれたもの。
まともに礼を言ったこともなかったが、こうして四半世紀たっても役に立てている。
背面にロープ口径別に、巻き取り回数などの覚え書きが見える。
しばらく確かめたことがなかったが、次回はこのデータに従うことにする。