まる六年経って

まる六年も経って、まだ片付けものをしている。

三次元的な造形センスを望むべくもない、下手くそな亡父の木彫りを捨てあぐねてきたのは、その出来映えのお粗末ゆえ。

親に、馬鹿な子ほど可愛いを知らさる。

これも新手の供養か、嫌がる姉に一つ預けてほかは、いよいよ灰に。

風のある快晴の午後。

手元には、虫食いを活かした柿。