石組み

沖縄の風景の中に石組があって、日本の木造文化とは明らかに違う。
久米三十六姓がオキナワに石造技術を伝えたからとか、石灰岩が身近かとか台風とか市街戦が木造家屋を灰にしたとか……。

石組みに親しみがふかまると、郷里に置き去りにした屋敷の石組みに心が向かうのだ。

彼岸花柿蕗無花果葉蘭あとは何だっけ、風景は写真のように切り取られているが石組みの隙間に迫る草木のなまえが滞る。

切り売り分譲中だが五〇メートル四段くらいの石の群れを、やはりそのままにはしておけない。新しい買い手に処分を頼まれた土建屋が、これをどうするか想像してみたのだ。