竹仕事を生業にする岩手の或る村を年の瀬も押しつまって訪ねるついでに、曲げわっぱの佐々木悌治氏の仕事場に寄る。四たびの大館、のつもりだったので驚くにあたらないが、氏より届いたものはうれしい当ての外れ。

二段重ね大中小各10組の注文だったが、届いたのは中小各18組、大17組だった。

佐々木さんはほぼ倍の数を仕上げて下さった。ソラマメのようにくびれた楕円をお願いしたのは、軽い気持ちだったがそれが歩留まりの悪い注文だと後から知った。

作業場の大きな段ボールにはS字カーブのところでミシッと裂けてしまって、陽の目を見ずに廃業されたものが盛り上がっていた。

大きなスチームプレスなんかでなく自作の締め具で木のご機嫌をとりながら、一つひとつ 。
こうして注文数の倍も仕上がってしまう幸運に巡り会うこともある。

しかし、歓迎すべき齟齬が荷をほどいて発覚した。

以下、来春のお披露目のご案内を待たれよ!